【コソボ】紛争より疎外感の方が辛くって、紛争より優しさの方が勝つって感じた話。
アルバニアからバスで6時間。
あのコソボに入国した。
コソボと言えば中学か高校の頃に“コソボ紛争”という言葉しか思い浮かばない。
そして、それは大人になって先生を通り越した今でも同じ。
20年前と同じ「紛争」のまま、なのだ。
頭の中のイメージとは恐ろしいもので、「紛争」と思い込むとたとえ何年たってようがまえてぃーの頭の中は「紛争」のまま。
つまり、“危険”。
だからアルバニアから普通にバスが毎日出発していることに驚いたし
、10ユーロで行けることにも驚いた。
何よりアルバニアの人たちが「コソボ?あ、いいやん、行ってらっしゃい」みたいな感じでフランクに話してくれることにあっけにとられた。
そして、
勇気でた&ワクワクが増した!!
そして、入国では。。。
やっぱりスタンプもらえん!!
バスで行き来が当たり前の国はこんなもんなのかと諦める。
そしてバスは市街地へ。
そしてターミナルへ到着し降り立つ!!
「コソボなんか~??」
実感が湧かない。
フワフワしたまま荷物を持って運ぶ。
ふと気づく。
とにかく見られる。
そりゃそうか。
まえてぃーがコソボのこと知らないようにコソボの人たちも日本人なんて知らなくて当然だろう。
まだまだこの辺りを旅する人も少ないんだろうな。
通りすがりに下から上まで見てくる人もいればウインクしてくる人もいる。
話しかけてくる人もいれば怪訝な顔をする人もいる。
まえてぃーにしたらどれも新鮮だった。
けど、
感じる。
疎外感。
宿に着き、町を散策しに出かける。
お店に入ると間違いなく全員にジロりと見られる。
それはまるで一瞬だけ時が止まったよう(けっこう本気)。
あ、まえてぃーついに「時を止められるようになった」。
気分は「ザ ワールド(ジョジョより)」。
しかしこれが続くとしんどいこともある。
カフェに入った時、店員さん達が誰が注文聞きに行くか相談してたり、スーパーのレジで、前の人にはお釣りを手渡ししていたけど私には目も合わせずお釣りは投げるように下に置く。
嫌いなのか。
奇妙なのか。
怖いのか。
関わりたくないのか。
分からない。
ただ。
寂しい。
ここまでくると紛争とか全く頭にない自分にも気づく。
それどころじゃない。
その日、最後にもう一軒だけ行ってみようと勇気を出して入ったベーカリーカフェ。
お姉さんが2人、まえてぃーが入るなり「え、どうしよう」モード。
もう慣れました!(強がり)
おなじみの片言の英語で「これください」を言ってみる。
が、2人とも「なになに?」みたいな状態。
通じないか。。。
まえてぃーもどうしよう状態。
すると奥から店長っぽいおじさんがやってきた。
おじさんがお姉さん2人に「ここはいいよ」的なことを言ってまえてぃーの方へやって来た。
英語で。
「よく来たね」
まえてぃー半泣き。
「どれにする?」
「これにします」
「ここで食べるかい?」
「はい。コーヒーもお願いします」
お金を払おうとすると
「あとでいいよ。ノープロブレムさ」
と言って席に案内してくれた。
食べたカステラのケーキ。
「美味しいかい?」
「どこから来たの?」
「ニッポン、そりゃいい国だ」
他のお客さんもいるのにずっとまえてぃーのことを気にかけて話しかけてくれた。
食べ終わって、
「コソボの伝統的なパンはある?」って聞いたら「もちろんあるよ」と言って2つ紹介してくれた。
そのうちの1つをテイクアウトして買って帰った。
全部で2ユーロ(260円くらい)。
破格の値段だと思う。
そして、ただ本当に嬉しかった。
帰り道はもう泣きながら帰った。
もちろん嬉し涙。
私も日本にいた時そんな対応して誰かを傷つけてたのか。
あのおじさんのように“違う”人に暖かい人になりたいと思った。
間違いなく“NEW BORN”だ!!
おじさんにありがとうを込めて折り鶴を渡した。
「ハッハッハッ!これはいいプレゼントだ。」と笑って肩を叩いてくれた。
そして外まで見送ってくれた。
違うんです。
もらったのは
私なんです。